リレーコラム

200年後の多数派

 再び登場します。おがるの加藤潔です。よせばいいのに、またリレーコラムの原稿を書くという無謀な挑戦をさせていただきます。一方的な配信なのでコラム炎上の心配をせずに開き直って書くことにします。お読みになる方はどうぞ気楽に読み流してくださいませ。
 
 ボクが当事者の方やご家族に最近よく言っている言葉。
 「今は少数派ですが200年後にはきっと多数派になってますよ」
 
 ボクは基本的に数字が不得意で、したがって数学にもそれなりの嫌悪感があり、連立二次方程式とか二次関数とか、「どうして二次まで考える必要があるんじゃ?一次で満腹だ」と思っていました。学生時代は「単位さえぎりぎり取れればいいんだ」と自分に言い聞かせ、なんとかかんとかやりすごしていたことを思い出します。ですから、数が大きくなるとわけがわからなくなり、なぜかとにかく「2」をつけるくせがあります。とてつもなく大きい金額を言うときは2000万円という数字しか思いつきません。今回の「200年後」も、大きな数字という意味ももちろんあるのですが、一応、へんてこ・でたらめ数学ではじきだした数字なので、恥ずかしながらその根拠を説明しましょう。笑ったらだめですよ。へんてこ・でたらめだから。
 
ボクなりに自閉症の発現率の推移から考えてみたんですけど・・・。
恥ずかしいなあ。
 
 1960年くらいから1990年くらいまで、(日本では)自閉症の発現率は10000人に4~5人と言われていた時代でした。%で言えば、約0.05%です。2012年の現在、その数値は2%と言っても過言ではないという状況です。さて、ここから、へんてこ・でたらめ数学の始まりです。
 1960年から1990年までの30年間は0,05%で、1990年から2012年までの約20年間は約2%。この20年間で発現率は40倍に急上昇しています。この急上昇ペースがそのまま続くことはなくそれなりにゆるやかになるだろうと勝手に仮定して(もうかなりへんてこ・でたらめだ)、この40倍の上昇率を次の200年間に適用するとしたら(その根拠は単なるテキトー)、200年後には全人口の約80%が自閉症ということになるのでございます。したがって、へんてこ・でたらめ数学からの理論的根拠のない算出により、加藤は「今は少数派ですが200年後にはきっと多数派になってますよ」と言ってしまっているのでありました。
 
 さて、「今は少数派ですが200年後にはきっと多数派になってますよ」という言葉には、加藤の障がい観が多少込められていましてね。「障がいは少数派なだけなので、いいとか悪いとかではなく、多数派仕様の世の中では生きにくさがあるだろうということ」「少数派としてすてきに生きていけばいいということ」「200年後の子孫たちから『200年前の先人が前向きに人生を生きてくれたおかげで、今の自分たちがある』と言わせるだけの堂々とした人生を歩いてほしいということ」の3点なのですがね。
 
 ある当事者の方から言われました。「加藤さん、なかなかいいこと言ってますけど、ボクら想像力の困難があるので、200年後の社会のことは想像すらできませんよ」
 たしかにその通り。でもね、200年後の社会のことを言いたいのではなく、今の社会を生きるスピリットを伝えたかったのですよ。200年後ではない今の時代をたくましく、パイオニアとしての誇りをもって生きていってほしいので。
 
文責 札幌市自閉症・発達障がい支援センターおがる  加藤 潔

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